カウンターデザインは飲食店の顔とも言える大事なポイントで、失敗できません。
しかし
「こだわったカウンターデザインを施工したい」
「どんなカウンターを作ればいいのかわからない」
「参考になるカウンターデザインがあれば見てみたい」
と思っていませんか?
カウンターデザインは高さや素材で感じ方が変わり、どれを選ぶと正解なのか難しいですよね。
とくに飲食店の開業が初めてならば、なおさら判断できません。
それにデザイン性だけでカウンターを作ってしまうと、集客に悪影響を及ぼす可能性があります。
そこでこの記事では、飲食店のカウンターデザインで失敗しやすいポイントを解説しながら参考になる事例を紹介しています。
最後にはカウンターデザインの依頼ができるおすすめの業者と、依頼する時の注意点もまとめました。
カウンターに座った客さんに、喜んでもらえるデザインにするために、ぜひ参考にしてみてください。
飲食店のカウンターの役割とは
飲食店のカウンターデザインが重要な理由は、3つの大きな役割があるからです。
カウンターの役割を理解せずにデザインの作成に進んでしまうと、お店に合ったカウンターができなくなります。
そこでまずはカウンターの役割から解説していきます。
調理過程のパフォーマンス
調理している様子を見せることで、お客さんにパフォーマンスとして楽しんでもらえる役割があります。
例えばお寿司や鉄板焼きの業態に多い、厨房を囲うようにデザインしたカウンターです。
お客さんは、寿司を握る姿やお肉を焼く姿をライブ感覚で楽しむことができます。
柵に取られた新鮮なネタが目の間で切り分けられ、シャリと一緒に握られる時の素早く無駄のない動き、華麗なナイフさばきと肉の焼けたいいニオイは、お客さんを魅了する強力な集客効果があります。
リピーターの確保
カウンターはお客さんとのコミュニケーションが取りやすく、リピーターを増やす役割があります。
1人客がカウンターで店員と話している姿はよく見る光景ですよね。
飲食店は人商売と言われるほど、お客さんとスタッフのコミニケーションが重要です
料理だけでなくスタッフで常連客を付けている飲食店も少なくありません。
コミニケーションが取りやすいカウンターは、お客さんとスタッフとの距離を縮め、リピーターを増やす重要な役割があると言えます。
人件費の削減
カウンターには人件費を削減できる役割もあります。
オープンチッキンは、注文を受けて提供まで目の前でできるので、ホールスタッフを少なくできます。
ラーメン屋やうどん屋などに多く採用されているカウンターです。
吉野家ではカウンターを波のようにデザインして、スタッフ1人でも対応できるような設計になっています。
オーナーとバイト1人で回せるぐらいの店舗の経営をしたいときはカウンターが役にたつでしょう。
カウンターデザインで失敗しないコツ5選
カウンターデザインは高さや素材の種類が多く、どれを選べばいいのか悩みますよね。
カウンターの高さや素材は、お店のコンセプトや業態に合ったものでないと、お客さんに不快な思いをさせてしまう可能性があります。
お客さんを不快にしてしまってはリピートが望めません。
そこでカウンターデザインで失敗しないためのコツを5つ解説していきます。
カウンターの高さで変わる居心地
カウンターの高さは居心地に影響しています。
カウンターの高さは3つに分けられます
- ハイカウンター
- ミドルカウンター
- ローカウンター
ハイカウンターは料理ではなくお酒がメインになる業態BARなどに多いカウンターデザインです。
ドリンクを置けるスペースがあればよく、カウンターの奥行きを狭くできます。
店内が狭くても導入しやすいカウンターデザインでしょう。
ミドルカウンターはラーメン屋やうどん屋のような回転率が必要な業態に多いカウンターデザインです。
居心地よりもご飯の食べやすさを優先している飲食店が多くあります。
ローカウンターは居酒屋のような、2時間から3時間ぐらい滞在する業態に多いカウンターデザインです。
居心地重視でゆったりと座れるようにスペースを広くとる必要があります。
低いカウンターですので厨房側を低くする工夫をしないと、お客さんを見下す形になってしまいます。
お客さんを見下す形になってしまうと、威圧感を感じさせてしまい居心地が悪いと感じられてしまう可能性があり、注意が必要です。
高さ | 向いている業態 | メリット | デメリット | |
---|---|---|---|---|
ハイカウンター | 1000mm | BAR | お酒が進みやすい | 足がつかないので不安定 |
ミドルカウンター | 900mm | ラーメン、うどん | 食事がしやすい回転率を上げられる | 長時間座るのに向いていない |
ローカウンター | 720mm | 居酒屋 | 長時間座れる | 店員が見下す形になりやすい |
カウンターの素材で変わる雰囲気と金額
カウンターには様々な素材のものがあり、それぞれで感じられる雰囲気が違います。
例えば高級感を出したいときは、一本の原木から切り出した無垢材を使います。
無垢材は価格が高いので、客単価の高い寿司屋や日本料理店で使われることが多い素材です。
無垢材よりも安価ですが高級感を出せる突板や価格が安い集成材は気軽に入れる居酒屋を演出できます。
他にも左官カウンターといってモールテックスといった素材で作るカウンターもあります。
木材にはない質感で印象的なカウンターデザインです。
質感 | 金額 /㎡ | 特徴 | |
---|---|---|---|
無垢材 | 高級感がある | 2万円〜 | コストが高い |
集成材 | 木のぬくもりがある | 5,000円〜 | コストが安い |
モールテックス | 現代的な感じ | 1万円〜1万5000円 | 他店との差別化ができる |
パーソナルスペースを確保
カウンターではお客さんが並んで座るので、隣が近すぎると落ち着きません。
一般的に1人あたり600mmの幅があると良いとされています。
ただ600mmは平均ですのでお店のコンセプトに合わせて調整しましょう。
例えば高級感を出したいときは630mmぐらい余裕があるといいです。
賑やかな感じを出したいときは少し狭くして560mmにしてみるといいでしょう。
店舗によって設置できるカウンターの長さが決まっているので、「カウンターの長さ÷人数」でお店のコンセプトに合わせて調整してください。
見せないものを隠す
カウンターから厨房が見えるということは、材料やゴミ箱や食器洗浄機も見えてしまっています。
お客さんが見て不快に思われるようなものは極力隠すようにしましょう。
例えば煩雑に置かれた材料やドリンク類は収納スペースがない飲食店ではよく見る光景です。
店舗設計をする段階で、収納できるスペースや壁を作るなどの工夫をしておきましょう。
収納がきれいにできると、無駄なものが見えなくなるのでカウンターデザインがより映えてきます。
カンターデザインにこだわるならば、見せ方にも気を使いましょう。
上着や荷物置きを別に作る
カウンターはテーブル席と違いスペースが限られています。
スペースが限られるので、上着を掛ける場所や荷物を置く場所を別に作っておきましょう。
上着や荷物以外にも、メニュー表はカウンターで邪魔になりやすいです。
注文をしようとメニュー表を取るときに、グラスや皿に引っ掛けてしまいこぼしてしまう可能性があります。
お客さんに不快な思いをさせないためにも、上着掛けやバックの置く場所、メニューブックの収納場所を別に確保しておきましょう。
飲食店の参考になるカウンターデザイン5選
高級感のある1枚板のカウン ター
白木の1枚板を使用した高級感があるカウンターです。
カウンターに厚みがあるのでどっしりとした重厚な高級感と白木の明るい色で清潔感もだしています。
生物を提供しているので、清潔感が感じられるカウンターデザインはお客さんに受け入れられやすいでしょう。
お寿司屋では包丁さばきや、手さばきをパフォーマンスとして楽しんでもらうため、カウンターから料理人の手元が見える高さに合わせている所が多いです。
他店との違いを出せる左官カウンター
カウンターは木材でできたものが多いですが、こちらのカウンターはモールテックスといコンクリート素材を使用したカウンターになります。
木材にはないスタイリッシュな感じを演出できています。
モールテックスは加工性と強度が高く、床や壁にも使われています。
顔料を加えれば着色も可能で自由度の高い素材です。
特徴的な店舗を作りたいときは検討してみてください。
スペースを有効に使ったミドルカウンター
古民家を改修したうどん屋で長細い店内にカウンターを並べることで客数を確保しています。
木目の見える落ち着いたカウンターで内装の色味とバランスがとれています。
カウンターに照明を集めているので、うどんが配膳されたときにスープが輝いて見える設計です。
デザイン性だけでなくお店の強みを活かす、カウンターといえるでしょう。
お客とのコミニケーションが取れるカウンター
お客さんと目線をフラットにしたデザインで話しかけやすいカウンターデザインです。
頭上に取り付けられた収納も低くなく、店員の顔が見やすい設計になっています。
スタッフとの会話を楽しむためにお店に足を運ぶお客さんは少なくありません。
お客さんとのコミュニケーションでリピーターを増やしたいならば参考になるデザインです。
珍しい屋外のカフェカウンター
公園内にあるカフェレストランのカウンターです。
カウンターといえば店内にあるイメージですが、こちらは外壁に沿ってカウンターが並んでいます。
テラス席に座るまでもないけどちょっと休憩したいなというお客さまに喜んでもらえるデザインでしょう。
店舗の立地でテラス席が置けないときでも、少しのカウンターであれば設置できるかもしれません。
飲食店の内装デザインを依頼できる会社3選
デザインからブランディングまで手掛ける『DESIGN VIKING』
ベテランデザイナーから集客できる効果的なアドバイスを受けられます。
ブランディング事業も手掛けているので、店舗デザインはもちろん、お店の見せ方や商品の売り出し方を包括的にサポートしてくれます。
一般的に設計会社とは開業時だけのお付き合いになることが多いですが、YOHAKUOffice株式会社には定額で飲食関連のデザインを依頼できるサービスがあります。
定額制サービスでは、看板のデザインやチラシデザイン、メニューデザインなどのデザイン関連の仕事全般を依頼できます。
飲食店の開業が初めての人や運営に不安がある人、人手が足りなくて悩んでいる人におすすめです。
開業をフルサポートしてくれる『モリ建装一級建築士事務所』
一級建築事務所だからできる、自由な内装デザインが特徴です。
開業フルサポートでは店舗探しはもちろん、資金の借り入れ先紹介や保健所の申請お手伝い、中古厨房機器の紹介、アルコールの類の酒類卸業者の紹介など新規開業サポートをうけることができます。
新規開業が不安な人にオススメです。
モールテックスを加工できる『原田左官工業所』
一般的にモールテックスは扱いが難しいとされ施工にはノウハウが必要です。
原田左官工業はモールテックスの正規認定施工店で、ノウハウと実績のある会社になりま
す。
自由度が高いモールテックスを匠に施工して、他店にはないカウンターデザインができるでしょう。
他店と差別化できるこだわったカウンターデザインを探している人にオススメです。
業者に内装工事を依頼する時の注意点
初めて業者に依頼するときは不安ですよね。
内装工事に失敗すると経営に支障が出てしまうことがあります。
とくに初めて内装工事を依頼するときは相場がわからず、追加の工事費が発生して予算内に収まらないことや、工事が終わったあとに問題点が発覚してしまうことは、少なくありません。
そういった失敗をなくすために、業者に依頼するときの注意点を3つ紹介していきます。
内装工事の相場
内装工事は居抜き物件かスケルトン物件かで費用が大きく変わります。
居抜き物件だと200万〜400万程度が内装工事の相場です。
居抜き物件であっても、そのままですぐに営業できることは稀で、多少の手直しが必要になる場合が多いです。
スケルトン物件であれば、居抜き物件の5倍程度の費用が必要で、1000万円から2000万円程度です。
カウンターデザインにこだわりたいのならば、自由度の高いスケルトン物件が良いでしょう。
見積もりは複数の業者から
ある程度の構想が決まれば店舗設計の実績がある業者に見積もりを依頼します。
店舗設計と住宅用設計では得意とする工事が変わってしまうので注意してください。
見積もりは最低でも3社以上から取りましょう。
特に始めて内装工事をする場合は、工事内容が適切なのか、工事費は妥当なのかが判断できません。
見積もりを見比べて工事内容のずれや金額に開きがある箇所をチェックして、わからない所があれば質問をしましょう。
予算内に収まらないときは相談
施工業者を決めたら再度、施工内容やスケジュール、予算を確認します。
もしも予算がオーバーしてしまうときは、業者に相談をしましょう。
実績のある施工業者は、コストを下げる方法を知っているので対応策を提案してもらえます。
無理して予算をオーバーし運営費を圧迫してしまっては営業活動に支障がでてしまいます。
まとめ
今回は、見なきゃ損!飲食店のカウンターデザインで失敗しないコツ5つをテーマに解説してきました。
飲食店のカウンターは、お客さんを楽しませたり人件費を削減したりできる大事なものです。
カウンターデザインで失敗しないためにもポイントを抑えておきましょう。
- 業態に合ったカウンターにする
- コンセプトにあった素材を選ぶ
- パーソナルスペースを確保する
- 不快に感じるものを隠す
- 荷物置きを作る
カウンターはデザイン性だけでなくお客さんの目線に立ってから考えてから設計をすると失敗がなくなるはずです。
業者に依頼するときは最低でも3社から見積もりを取り寄せてください。
内装工事が予算内に収まらないときは、業者に相談して提案をしてもらいましょう。
以上、見なきゃ損!飲食店のカウンターデザインで失敗しないコツ5つと参考店舗も紹介でした。
ぜひお客さんに喜んでもらえるカウンターデザインを作ってみてください。